Common Cartridgeは、IMS Global Learning Consortiumを中心とする、各学習管理システム (LMS) 間での共有を推進するためのイニシアチブです。Common Cartridge Extension Building BlockはBlackboard Learnに付属しており、デフォルトでは、管理者と教員がCommon Cartridgeパッケージをエクスポートおよびインポートするのに使用できます。

Common Cartridgeを使用すると、教員と管理者は、Common Cartridgeをサポートしている任意のLMSで使用できるパッケージをエクスポートすることができます。


サポートする標準

Blackboard Learnは、Common Cartridge 1.0、1.1、および1.2の形式のCommon Cartridgeをサポートしています。Common Cartridgeの詳細については、IMS Global Learning Consortiumのサイトを参照してください。


Common Cartridgeのエクスポート仕様

Common Cartridge標準は、柔軟性を実現し、共有を有効にするよう設計されています。多数のシステムでの再利用を有効にするため、パッケージの機能は広範囲で利用可能なものに限定されています。

ファイル、項目、掲示板フォーラム、URLリンク、およびアセスメントはエクスポートされますが、特定のコンポーネントは除外されることがあります。たとえば、掲示板フォーラムのトピックはエクスポートされますが、成績は他のLMSでサポートされないのでエクスポートされません。

IMS Common Cartridge標準は、現在すべてのアセスメントの問題タイプも属性もサポートしていません。エクスポートされたテストやプールには、対応していない問題は含まれません。

Common Cartridge標準に従い、以下のコンテンツタイプがサポートされています。

サポートされるコンテンツタイプ
コンテンツタイプ 説明
コースファイル すべてのコースファイルは、/csfiles/home_dir/my_filesディレクトリへのWebコンテンツフォルダとしてエクスポートされます。ロールの制限を使って、すべてのユーザが使用できないファイルのみに教員のアクセス権を制限することができます。
掲示板 すべてのコースフォーラムは、グループフォーラムがあればそれも含めて一緒にエクスポートされます。スレッドはエクスポートされません。
アンケート アンケートはエクスポートされません。
プール プールは、1つの問題バンクとしてエクスポートされます。
テスト 指定により、次の問題タイプがエクスポートされます。
  • 複数選択問題: 個々の解答にフィードバックを提供します。部分的な評価はサポートされていません。
  • 複数回答問題: 個々の解答にフィードバックを提供します。部分的な評価はサポートされていません。
  • 正誤問題
  • 穴埋め問題 : 最初の解答のみが含まれます。
  • 作文問題 : 解答例が提供されます。

その他に、次のようなテスト情報があります。

  • 正解と不正解に対するフィードバック
  • 一般的なフィードバック
  • コースファイル内のソースファイルにリンクされた問題文の埋め込み画像およびファイル
  • 単一カテゴリ (問題に複数のカテゴリがある場合、1つだけが含まれます)

除外されるテスト情報およびコンテンツは次のとおりです。

  • 教員用のメモ
  • レイアウト情報
  • 添付ファイル
  • ランダムブロック
  • 問題セット
コンテンツエリア Common Cartridgeのエクスポートパッケージは、単一のコンテンツフォルダに1つのコースを配置します。その後、各コンテンツエリアがメインのコースフォルダ内のサブフォルダとしてエクスポートされます。たとえば、Common Cartridgeパッケージをコースからエクスポートした後で再インポートすると、単一のコンテンツエリアにそれぞれ元のコンテンツエリア用のフォルダと、すべてのURLリンクを含むURLリンクコンテンツエリアが含まれているコースになります。

エクスポートには、次の項目がサポートされています。

  • フォルダ
  • 項目 : テキストエディタに入力されたテキストは、HTMLファイルとしてエクスポートされます。添付ファイルは項目の一部としてエクスポートされませんが、コースファイルに保存されている場合はコースパッケージに含められます。
  • ファイル : ファイルは説明のないWebコンテンツとしてエクスポートされ、ファイルへのリンクとして表示されます。
  • アセスメントリンク
  • URL : URLは、関連テキストや添付ファイルなしで、パッケージのURLリンクセクションに追加されます。コンテンツエリアに導入済みの場合は、対応するフォルダ内にも入っています。
  • 掲示板フォーラムへのリンク
基本LTIリンク 基本LTIリンクは、エクスポートとインポートができます。インポートしたCommon Cartridgeパッケージを使用する場合、教員はコースのコントロールパネルの[パッケージとユーティリティ]領域で、LTIリンクが機能するように設定する必要があります。
課題 エクスポートとインポートの両方で課題がサポートされています。これは非常に限定的な形式であり、実際のコンテンツの外部にある情報は一切エクスポートまたはインポートされません。インポート時には、単一の添付ファイルを持った課題が作成されます。このファイルには、リンク付きのHTMLを使用できます。課題がメインのコミュニティで使用されていない場合は、課題コンテンツエリアにリストアされます。エクスポート時には、説明と添付ファイルが結合された単一のファイルが生成されます。またWebコンテンツは、課題としてマークされる場合があります。
配置 すべてのCommon Cartridge項目について、標準への整合性がエクスポートされます。配置は、その標準がシステムに存在する場合のみインポート時にリストアされます。存在しない場合は、インポートログにログエントリ (情報) が追加されます。エクスポートされるのは、ベンダーから提供された外部の標準だけです。カスタム標準は無視されます。

Common Cartridgeのインポート仕様

Blackboard Learn にインポートされたCommon Cartridgeパッケージは、コンテンツをエクスポート仕様の説明に従って許可します。パッケージはできるだけ多くのコンテンツを共有することを目的としてはいるものの、コースを同一には複製しないことに、管理者および教員は留意する必要があります。

Common Cartridgeパッケージをインポートすると、コースは中にフォルダとサブフォルダの入った単一のコンテンツエリアに圧縮されます。また、URLリンクコンテンツエリアがコースメニューに追加され、コースパッケージに含まれているすべてのURLへアクセス可能にします。


IMSの仕様

Blackboardパッケージフォーマットは、Blackboard Learnに固有なコンテンツタイプをサポートするように拡張されたIMS Content Packaging Specificationに従っています。

  • IMS Content and Packaging Specification 1.1.2
  • IMS Metadata Specification 1.2.1
  • IMS Enterprise Specification 1.01
  • IMS Question and Test Interoperability Specification 1.2

カリキュラム標準への整合

カリキュラム標準への整合オプションでは、標準への整合を含めることができます。このコンテキストでの「標準」とは、標準的な記述にリンクしているグローバル一意識別子 (GUID) のことです。そのプロバイダによって指定される実際の標準の規格に接続するかどうかは、インストーラ次第です。仕様では、任意のプロバイダがサポートされていますが、BlackboardではAcademic Benchmark標準へのリンクのみに制限されています。


Common Cartridge Building Blockの管理

 Blackboard Learnをアップグレードすると、Common Cartridge Building Blockの最新バージョンがインストールされます。デフォルトのステータスは[利用可能]に設定されています。

  1. [管理パネル]の[Building Blocks]セクションで、[Building Blocks]を選択します。
  2. [インストールされているツール]を選択します。
  3. [Common Cartridge Extension]の行で、[利用可否の設定]と[コース/コミュニティの初期設定]の両方が[利用可能]に設定されているか確認します。
  4. [設定]を選択します。
  5. [教員にCommon Cartridgeのエクスポートを許可する]をオンまたはオフにします。

    教員がCommon Cartridge形式のエクスポートを許可されていない場合でも、管理者は[管理パネル]からこの操作を行うことができます。手順については、「管理パネルからCommon Cartridgeコースパッケージをエクスポート」を参照してください。Common Cartridgeのインポートは、この設定による影響を受けません。教員にも管理者にもCommon Cartridgeパッケージのインポートを許可しない場合は、Building Blockを[利用不可 ]に設定します。

  6. [送信]を選択します。

管理パネルからCommon Cartridgeコースパッケージをエクスポート

  1. [管理者パネル]の[コース]セクションで、[コース]を選択します。
  2. コースを検索します。詳細については、「コースの検索」を参照してください。
  3. コースのメニューを開きます。
  4. エクスポート/アーカイブ]を選択します。
  5. [Common Cartridgeのエクスポート]を選択します。
  6. 宛先システムがサポートするCommon Cartridgeのバージョンのチェックボックスをオンにします。
  7. [送信]を選択します。

コースからCommon Cartridgeコースパッケージをエクスポート

  1. コースの[コントロールパネル]で[パッケージとユーティリティ]セクションを展開し、[エクスポート/アーカイブコース]を選択します。
  2. [Common Cartridgeのエクスポート]を選択します。
  3. 宛先システムがサポートするCommon Cartridgeのバージョンのチェックボックスをオンにします。
  4. [送信]を選択します。

コースパッケージのダウンロード

  1. 自分のBlackboard LearnのEメールアカウントに移動し、コースパッケージの確認Eメールを受信したことを確認します。このEメールには、パッケージのログファイルコンテンツへのリンクが記載されており、アーカイブパッケージが準備されていることを示します。
  2. [管理者パネル]の[コース]セクションで、[コース]を選択します。
  3. アーカイブするコースを検索します。
  4. コースのメニューを開きます。
  5. エクスポート/アーカイブ]を選択します。[エクスポート/アーカイブ]ページには、Blackboard Learnから削除されていない、このコースのエクスポート/アーカイブパッケージがすべてリストされます。すでにダウンロード済みのパッケージも含まれます。ファイル名には、パッケージが作成された日付と時刻が含まれます。
  6. ZIPファイルのメニューを開きます。
  7. [開く]を選択します。
  8. [ファイルを開く]ダイアログで、[ファイルの保存]オプションを選択し、[OK]を選択して、アーカイブパッケージをローカルコンピュータにダウンロードします。
  9. オプションで、パッケージをBlackboard Learnから永久に削除するには、ZIPファイルのメニューを開いて[削除]を選択します。

Common Cartridgeパッケージのインポート

管理者および教員は、Common Cartridge 1.0、1.1、および1.2の形式のパッケージを、他のコースパッケージと同じ方法でコースにインポートできます。管理者向けのインポートプロセスの詳細については、[テンプレートとエクスポートパッケージからのコースの作成 (コースのインポート)」を参照してください。